これもかなり前の話になってしまうのですが、以前ご紹介した「てれごじ。」(現在は放送終了)に「ようこそ先輩」というコーナーがあり、毎週ある職業の方をスタジオに招き、その仕事の苦労や醍醐味を語ってもらうというもので、「和菓子職人」として、昨年11月8日に出演しました。
「お赤飯とゴマ砂糖」取材時のディレクターから電話をいただき、一応お断りしたのですが、こういう機会は滅多にないと思い、結局お引き受けする事にしました。
何度か事前の打ち合わせを済ませ、1月から12月まで数十種類の上生菓子を用意して、放送局内ではなく、徳島市の中心部にある「てれごじスクエア」という街角スタジオへ。
白衣に着替えて、約1時間の生放送です。
数本の音楽ビデオ以外はほとんど出っ放しで、当日持っていったお菓子の解説や実演をした後、私の生い立ちや、この職業を選んだ経緯、修行時代のエピソード、現在の話、そして、この道へ進もうとする後輩たちへのメッセージ、という流れです。
本番中の雰囲気が和やかだったので、幾分気は楽でしたが、やっぱり緊張はしました。
放送を見ていた人には、そうは映らなかったそうですが、何をしゃべったかあまり覚えていませんし、実演では手が震えて、かなり変な形の紅葉になってしまいました。
ディレクターとの打ち合わせで決めていた事も全て忘れてしまい、カメラの横で出して下さっていた進行用のカンニングボードも殆ど見ることができず、結果的に指示を全部無視する形になってしまいました。
今となっては申し訳ない思いと、情けない気持ちで一杯です。
この後輩たちへのメッセージ、私がボードに書いたのは、「恐れることは何もない!!」です。
和菓子職人に限らず、あらゆる職業・あらゆる事に共通して言えると思うのですが、失敗や間違いを恐れていては何もできない、仮に失敗してもまたやり直せばいい、そういう経験を積み重ねていくことによって大きく成長していく、本人にやる気さえあれば絶対大丈夫!という意味です。
私自身も修行中、実際に店頭に並ぶ商品を作るわけですから、見習いといえども変な形のものはできません。
それがプレッシャーとなり、失敗を恐れるあまり手を出すのが億劫になっていました。
それを察知した職人さんが、「全部失敗してもいい。全部失敗するつもりでやってみろ!」とおっしゃって下さり、気が楽になって肩の力が抜けたのか上手くできるようになった、ということがありました。
そういった経験から上記のメッセージとなったわけです。
「失敗しても構わない。大丈夫、大丈夫。やればイイじゃないか!」
鳴門弁で言えば、「かんまん、かんまん。いける、いける。やったらエエんよ!」です。
これは、今現在も自分自身に言い聞かせている言葉でもあります。
平成15年3月24日
ご意見、ご質問、ご感想を是非お寄せ下さい。
お名前:

メールアドレス:

ご感想:


ちょっと一言へ
トップへ