ひちぎり
ひちぎり(引千切)
煉切
ひっちぎりともいいます。
京都では3月3日上巳(じょうし)の節句、 つまり雛祭りに欠かせないお菓子ですが、
当店では、形と名前の意味を、毎年必ずお客様に聞かれるお菓子の代表格です。
形の起源には諸説あるのですが、
平安時代から宮中の儀式の祝儀に用いられた、
戴き餅(いただきもち)に由来するというのが、ほぼ定説です。
けれども、戴き餅は 花びら餅 になったとも、
地方によっては、4月8日灌仏会 (かんぶつえ)のお菓子であるとも言われています。
お店によって、こなし外郎で作ったり、
上にのせる餡玉を、きんとん鹿の子にしたりと様々です。
当店でも 昨年 は、蓬入りこなし地にきんとんをのせていました。
名前は、一部を引き千切った形からとも、
餅を引き千切って丸めたからとも、「契り」がなまったとも言われています。
いずれにせよ、子供の成育を祝うためのお菓子に変わりはありません。

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