蝶々
蝶々(ちょうちょ)
外郎
蝶々と書いて本来は「ちょうちょう」と読むのですが、敢えて「ちょうちょ」と読んでいます。
外郎を薄くのばし円く型抜きをして、白餡を包み込んでいるのですが、
今年は備中(岡山県西部)産の「白小豆」が手に入ったので、白粒餡にして使っています。
一般的な白餡というのは、いんげん豆の一種である、
手亡(てぼう)やビルマ(ミャンマー)産のバタービーンズなどが用いられています。
これらは、皮が厚くて硬く、粘りも強いのですが、価格も安いので全国的に使われています。
よく言われる「白餡は安物」というのは、材料からきているのだと思います。
これに対して「白小豆」というのは全国でも生産量が少なく、
特に備中産は、上菓子屋では非常に重宝がられています。
色はあまり白くならないのですが、
そのかわり風味は格別で製餡材料としては最高級とされています。
皮が薄いために穀象虫(こくぞうむし)がつきやすく保管も難しいですし、
餡に炊き上げるのも技術を要するので、あまり使われていません。
また価格が高く、一般の大納言小豆の3〜4倍します。
しかし、味・香りともに、手亡やビルマ豆の比ではありません。
やはりお菓子は、おいしいのが一番だと確信しています。

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