紫陽花
紫陽花(あじさい)
きんとん
しっとりと露に濡れ美しさを増す、日本の梅雨に最も似合うこの花が、
一般にも好んで植えられるようになったのは、意外にもごく最近のことで、
戦後、鎌倉と千葉から始まったということです。
古典にもほとんど登場せず、
花色が空色から青紫、淡紅へと移り「七変化」と呼ばれる故に、
江戸時代には、バケバナ・ユウレイバナと嫌われたそうです。
その花を世界に紹介したのは医師シーボルトで、著書「日本植物誌」の中で学名を、
日本に残した妻「お滝さん」から「オタクサ」としたのは有名な話ですね。
今年、当店では 昨年一昨年 に比べてぐっと色を抑えて、
淡い涼しげな色合いに仕上げました。
同じ紫陽花のお菓子でも、
色や表現方法によって、受ける印象が随分違ってきます。
お菓子も七変化ということですね。

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