竜田川
竜田川(たつたがわ)
鮮羹
古来、奈良の都の東に位置する山を佐保山、
西方の山を竜田山と呼んでいました。
五行説では、東は春の方角、西は秋の方角にあたり、
佐保山には春を司る女神・佐保姫が、
竜田山には秋の女神・竜田姫が宿っているとされました。
その竜田山を流れる川が、竜田川です。
現在の奈良県北西部、生駒市から南流し、斑鳩町の南で大和川に注ぐ川で、
上流を生駒川、中流を平群川ともいいます。
万葉集にも詠われた紅葉の名所で、
有名なのは古今集の在原業平の歌です。
「千早振る神代も聞かず竜田川 から紅に水くくるとは」
紅葉で竜田川の水を紅に染めるとは、
神の国にも聞いたことがないくらい不思議で美しいことだ、という意味です。
余談ですが古典落語に、この歌の意味を誤解釈するご隠居の話もあります。

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