初霜
初霜(はつしも)
煉切
その冬になって、初めて降りる霜を初霜といいます。
冷えてきたある朝、庭や畑一面に、うすうすと霜が降ります。
「心あてに折らばや折らむ初霜の 置き惑はせる白菊の花」
百人一首にも撰された、古今集の初霜の歌をお菓子にしてみました。
煉切で白菊を象り、まぶした氷餅は霜を表しています。
この凡河内躬恒(おおしこうちのみつね)の歌は、
「当て推量に折るなら折ってみようか
初霜が降りて辺り一面真っ白で
何処にあるかわからなくなった白菊の花を」
という意味ですが、明治時代の歌人・正岡子規に言わせると、
「霜が降りた位で、菊が何処にあるかわからなくなる事などありえない」そうです。
写実・現実主義から見ると、王朝和歌への評価も随分違ってくるものですね。

トップ > 和菓子歳時記 > 平成13年霜月 > 初霜