梅東風
梅東風(うめごち)
きんとん
東風(こち)というのは、春になって東から吹く風のことです。
ちょうど梅の花が咲く時季と重なるので梅東風とも呼ばれ、
二色のきんとん餡は、梅の花と木を表しています。
『東風吹かば 匂ひおこせよ 梅の花 あるじなしとて 春を忘るな』
これは菅原道真が、九州の大宰府に左遷される時に、
自宅の梅に名残を惜しんで詠んだもので、
春になり東風が吹いたら、香りを風に乗せて送って欲しい、
自分がいなくなっても春を忘れるな、という意味です。
この梅の一枝が、主人を慕って大宰府天満宮まで飛び、
そのまま根をおろして「飛梅」と呼ばれ、
現在は十五代目の木が、毎年花を咲かせているそうです。

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