春の野
春の野(はるのの)
煉切
お菓子を作る道具に「小田巻(おだまき)」というものがあります。
ところてんの要領で、餡を細くそうめん状に押し出すのですが、
洋菓子のモンブランなどにも使われます。
その小田巻を使って春めいた野原を表し、小さな花を配しました。
「春の野にすみれ摘みにと来しわれそ 野を懐かしみ一夜寝にける」
山部赤人が万葉集に詠んだこの歌は、
春の野にすみれを摘もうと思ってやってきたのに、
懐かしくて一晩寝てしまった、という意味です。
それくらい暖かかったのでしょうね。

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