落とし文
落とし文(おとしぶみ)
煉切
時鳥(ホトトギス)の落とし文とか、鶯(ウグイス)の落とし文といって、
巻紙のように丸められた木の葉を、煉切で表しました。
実はこれは、オトシブミという小さな虫の巣で、幼虫の「ゆりかご」になります。
まず葉の茎を少し切り、しおれさせ巻きやすくしてから、
葉を縦に二つ折りにして、器用に葉の先からクルクルと巻き上げるそうです。
そして中に産卵し、地面に落として完成。
これを見て「落とし文」と名付けた先人の感性には、ただ感心するばかり。
初夏の季語らしく、鮮やかな緑が映える一品です。

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