彼岸花(ひがんばな)
煉切製
燃えるような赤い色が印象的な彼岸花が、
田んぼのあぜ道沿いに咲いている景色を思い浮かべて作りました。
曼珠沙華(まんじゅしゃげ)という名前でも知られていますが、
これは「法華経」に出てくる梵語「マンジュサカ」の転化で、
「赤い花」「天上の華」を意味するそうです。
ところが墓地にも多く生えていて、その色が逆にあだとなり、
縁起の悪い花と忌み嫌う風習が各地にあったようです。
死人花(しびとばな)、地獄花(じごくばな)、幽霊花(ゆうれいばな)のほか、
草全体にアルカロイドなどの有毒成分を持つので、
舌曲(したまがり)、舌刈花(したかりばな)という悪名もあります。
さらに、花が咲き終わった後で葉が出てくる性質から、
捨子花(すてごばな)、歯抜け婆(はぬけばばあ)とまで呼ばれています。
よくもまぁソコまで…という感じですが、
一目見たら忘れられない強烈な印象があるからでしょう。
けれども、一般的に植物は気候によって開花時期がずれることが多いのですが、
この花はどんなに猛暑でも冷夏でも、旱魃だろうと長雨だろうと、
秋の彼岸の中日には必ず花を咲かせるといいます。
「悲しい思い出」という花言葉には、
どういう想いが込められているのでしょうね。