木の芽
木の芽(きのめ)
薯蕷
木の芽とは、春先に木に萌え出た若芽のことで、
特に山椒の新芽のことをさします。
山椒は実とともに、この若芽も香料として用いられ、
辛味ばかりでなく、香りや風味も珍重される、
昔から人気が高い薬味の一つです。
中国では、極めて高い香りは邪気を防ぐものとして、
また、多くの実をつけることから、
多産の象徴として妊娠や出産の呪物とされ、
壁に実を塗りこめて、子孫繁栄を願ったそうです。
薯蕷饅頭の上面を焼き、木の芽を飾ったこのお菓子は、
甘味の中にわずかな辛味を残しつつ、
春の香りを鮮やかに伝えてくれる、
この時期ならではの味わいです。

トップ > 和菓子歳時記 > 平成15年卯月 > 木の芽