緑風
緑風(りょくふう)
鮮羹
緑風というのは、初夏の頃、
青葉が茂る木々の間を吹き渡る風のことです。
当然ながら、実際には風に色などついてはいませんが、
南風が、草木のみずみずしい緑の生気を吸収し、
すがすがしく匂うように吹いています。
その、まるで新緑が溶け込んだかのような風が、
若楓の葉を一枚、そっと水面に落とし、
静けさの中で広がる水の動きを錦玉で再現しました。
水底の小石は、小豆・黒ゴマ・ヨモギをそれぞれ練りこみ、
淡白になりがちな錦玉に、味の上でもアクセントを与えています。
こういう透明感のあるお菓子が店頭に並び始めると、夏はすぐそこ。
どうぞ、よく冷やしてお召し上がり下さい。

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