石竹
石竹(せきちく)
煉切
石竹は別名「唐撫子(からなでしこ)」といい、
その名の通り、中国から平安時代初期に伝わってきました。
日本古来の撫子は、唐撫子に対して大和撫子(やまとなでしこ)と呼ばれ、
清楚で可憐な、美しい日本女性への褒め言葉にもなっています。
ところが当時は現在と多少違い、
「石竹」という名は、大和撫子にも用いていたようです。
「秋去者 見乍思跡 妹之殖之 屋前乃石竹 開家流香聞」
万葉集に収められている大伴家持のこの歌は、
秋という季節から「石竹=なでしこ」と訳されています。
「秋さらば 見つつ偲へと 妹が植ゑし
屋前(やど)の石竹花(なでしこ) 咲きにけるかも」
万葉の時代の大らかさでしょうか。

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