滝つぼ
滝つぼ(たきつぼ)
道明寺羹
高い崖の上から一気に流れ落ちる滝の下の、
深い淵となったところを滝つぼといいます。
その滝つぼの中に物凄い勢いで流れ込む水と、
その激流により生じた気泡が渦巻く様子を、
道明寺羹で表しました。
一般的に、和菓子には曲線が多用され、
丸みを帯びたものが多いのですが、
直線を敢えて取り入れることにより、
荒々しさと力強さを表現しています。
滝は、日本では古来より神聖視され、
「滝水に打たれて行を積む」 ということも行われてきました。
また滝つぼには主がいると信じられ、
滝底には竜宮があるとも言われています。
この道明寺羹の奥に見える餡は、
ひょっとしたらこの滝つぼに住む主かもしれませんね。

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