千草(ちぐさ)
煉切
製
人々がその名を知らないような草も、
秋になると色とりどりの花を咲かせ、
庭園や野原を鮮やかに、艶やかに彩ります。
そんな色も形も様々な秋の草は、
千草(千種)とか、八千草(やちぐさ)と呼ばれました。
好天での風情も、秋風に揺れ、秋雨に濡れるさまも、
それぞれに趣深く情緒がありますが、
千草の花に、冬枯れ前の物悲しい感じを見るのは、
少し感傷的に過ぎるでしょうか。
「秋の野に 乱れて咲ける 花の色の ちぐさに物を 思ふころかな」
紀貫之は、千草に何を思ったんでしょうね。
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平成16年長月
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