いづる月
いづる月(いづるつき)
こなし
「雪月花」「花鳥風月」など、
日本の自然美を表す言葉に、月は必ずあげられます。
特に秋は四季の中で最も大気が澄むので、
月はひときわ美しく輝いて見えます。
でも旧暦8月15日は台風のシーズンでもあり、
秋の長雨の時期でもあります。
「中秋の名月、十年に九年は見えず」などと言われ、
昔から晴天率はあまり良くなかったようですね。
このお菓子は、ススキが揺れる丘を立体的に浮き立たせ、
その丘の向こうに、大きな満月が昇る様子を表しました。
夜の闇を小豆餡の色で表し、月の明るさと対比させています。
墨絵や版画のように白黒二色、
この場合は白色と小豆色だけの、静寂の世界が広がり、
聞こえてくるのは虫の音くらいでしょうか。

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