茶梅
茶梅(ちゃばい)
煉切
茶梅とはサザンカ(山茶花)の中国名です。
少し紛らわしいのですが、
中国で山茶花(サンサカ)とはツバキのことで、
それが日本では誤って、ツバキと同属のサザンカにあてられたようです。
名前からもわかるように、共にチャ(茶)の仲間で、
江戸時代にはサザンカの新芽をお茶にして飲む地域もあったそうです。
また年頃の乙女が、香りの良い新芽を香袋に入れて持ち歩き、
村の鎮守に詣でて若者の気を引いた、という逸話も残っています。
野山に彩りの少ないこの時季、
サザンカは和菓子の題材として扱われることも多く、
今回はできる限り装飾を削ぎ落とし、極めてシンプルに形作ってみました。
微妙な色の濃淡に、花の表情を感じ取っていただければ嬉しいです。

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