小春日和
小春日和(こはるびより)
煉切
冬の初め頃、日本は移動性高気圧に覆われることが多く、
暖かく穏やかな春のような日和が続きます。
このことから陰暦10月のことを、小春とか小六月(ころくがつ)と呼び、
その温暖でうららかな日和のことを、小春日和といいます。
日本に限らず、色々な国にも良く似た時季があるそうで、
中国では「小陽春」、アメリカでは「Indian Summer」、
少し時季はずれますが、ドイツでは「Altweibersommer(老婦人の夏)」、
ロシアでは「Бабье лето(女性の夏)」と呼ぶそうです。
語源は様々に語られていますが、
東洋は春、欧米露では夏、というのも面白いですね。
さて、その小春日和の、のどかなイメージをお菓子にしてみました。
薄くのばした煉切を短冊状に切り、鉄板で軽く焼き目をつけ、
中に餡を巻き込み、紅葉を1枚そっと添えています。
薄紅色の生地に、焼き目という表情を与えることで、
小春日の暖かいイメージを連想してもらえると思います。
晴れた日に、お日様のあたる所で食べていただきたいお菓子です。

トップ > 和菓子歳時記 > 平成16年霜月 > 小春日和