織部
織部(おりべ)
薯蕷
茶道の世界では、陰暦10月初亥の日に炉開きをする風習があります。
今年でいうと11月16日が、旧暦10月5日で干支は己亥(つちのとい)、
つまり旧暦10月で最初の亥の日にあたります。
このとき、織部焼きの何かを一品使う、というしきたりがあって、
お菓子では、織部饅頭が広く親しまれています。
織部焼きというのは安土桃山時代に、
茶人で武将の古田織部重然(ふるたおりべしげなり)の指導により、
美濃地方で創始された陶器で、形や文様の斬新さで知られています。
その織部焼きの最大の特徴である緑の釉を薯蕷饅頭に施し、
井桁・梅鉢・垣根の焼印を押したのが織部饅頭です。
白と深緑のコントラストが目に鮮烈で、
炉開き以外でも十分楽しんでいただける意匠です。

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