水牡丹
水牡丹(みずぼたん)

本来、牡丹は4〜5月の花ですが、
その見事な美しさを涼しく表現し、夏菓子としました。
吉野葛を、本返しという製法で透明に仕上げ、
薄紅色の餡を包み込んだ姿は、涼味をそそります。
こういった葛饅頭は、餡ではなく葛が主役のお菓子で、
夏場に食べるのは、勿論、見た目に涼しいということもありますが、
漢方でいう葛根には、発汗・解熱の作用があるからです。
体の内と外から涼しくなろうという、先人の知恵ですね。
先月の氷室と同様、葛が白く濁り、硬くなってしまうので、
あまり冷やし過ぎずに、葛独特の弾力感を味わって下さい。

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